大っ嫌いなミディアムナローレーシングラジアルとしばらく付き合って分かったこと

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SP1023ミディアムナローレーシングラジアル、ってタイヤがあるんですが私は大っ嫌いで。
大昔にお台場シェルミュージアムでやったタミグラの指定タイヤがこれで、まあ全くグリップしなくてトラウマとなったのがきっかけなんだけど。
今考えると路面ははつりしてある石、こんなところで発売されたばかりのミディアムナローレーシングラジアル使え、ってのがそもそもひどい話しなんですけどね。
でもレースでミディアムナローレーシングラジアル使わざるを得ない状況が続いて色々研究したんで私自身の備忘録ついでにその結果を書いておきます。
ミディアムナローレーシングラジアルを使おうと思っている初心者向けです。

・ミディアムナローレーシングラジアルを使わないと勝てない!

タミヤのツーリングカー向けのミディアムナロータイヤで一番直径が大きいのがSP1023ミディアムナローレーシングラジアルになります。
ファイバーモールド系タイヤよりも直径で2mmほど大きくなります。
というわけなので最高速度が一番速くなるのがこのタイヤ。

タミグラタミチャレなんかの比較的低スピードなレースでタイヤ自由、てレギュレーションの場合、タイヤの直径が大きいミディアムナローレーシングラジアルを使った方が直線速度稼げるんで圧倒的に有利、て状況が生まれがちです。
ファイバーモールド系のタイヤの方がグリップが良く、走るには楽なのですが、参加者が皆ある程度うまくなっちゃうと「ミディアムナローレーシングラジアルを使わないと勝てない」てシチュエーションが多くなります。
なのでミディアムナローレーシングラジアルを使わざるを得ません。

ちなみにタミチャレGTよりも速いスピードではグリップ不足が顕著になるんで、そもそもミディアムナローレーシングラジアルは使われなくなります。

・なんでグリップしないのか

「グリップしない」と言ってもファイバーモールド系タイヤに比べて、なんですが、

そもそもゴムの質が違う、とか。
タイヤの表面が変質しやすい、とか。
おいしいところの寿命が短い、とか。
バラツキが大きい、とか。

こんな感じで色々理由が考えられます。
でもファイバーモールド系と比較すると値段からして半額程度、ファイバーモールド系と同じ性能を求めるのが間違いです。
「安くてグリップが良くて長寿命」なんて都合のいい話しがあるわけがない。

そしてそもそも「ファイバーモールド系よりグリップ悪いからダメだ」という考えを改めるべき。わかったか俺。

・グリップさせるにはどうすればいいのか

「もうミディアムナローレーシングラジアルを使わないと勝てないんだからこれ使うしかない」ってことで、開き直ってこの糞タイヤに最大限の仕事をさせるべく努力します。
いい仕事させるにはどういう要素が必要か、っていうと、

・鮮度

まず鮮度重要。
美味しいところは皮むけてから4パックくらい、と割り切りましょう。
極論言うと4パック走ったら廃棄。1回レース出て予選から決勝まで走ったらおしまい。

まあ実際の運用としては、レースには新品出して、レース終わったらそのタイヤは練習用に。
そんで次のレースにはまた新品使う、って感じで運用してみる、ってルーチンでどうでしょうか。

・表面処理

まず新品は皮を剥きましょう。
皮剥く、ったって具合が難しいんですが、全開で走って滑らなくなったら剥けてます。あんまり走ると美味しいところまで使っちゃうんで注意。

そんで走った後、走る前はクリーナースプレーで表面を拭きましょう。必ず拭きましょう。特に走行前は絶対に拭きましょう。
ゴミやホコリ付いてるとグリップ落ちます。
タイヤ拭くのもノウハウがあるみたいでやり方がみんな違います。
おいらは出走直前に雑巾にスプレー振りかけてその雑巾で拭く、て感じでやってますが、
タイヤにスプレーかけて拭く、て方もいますし、
タイヤにスプレーかけて拭いたあとさらにスプレーかけてそのまま拭かない、て方もいます。
これは色々やってみて自分の好みに合ったやり方探すのがいいですね。

寒い時期なんかは走行後、表面にムラっていうか一部ツヤが出てたりします。
これはなんだかわかんないんですが、多分表面が変に溶けた、とかなのかな?
これ出てるとまともに走りません。

クリーナースプレーでこすり落とすかタイヤ新調してください。

・路面の協力

これが一番大事。
路面状況がいいところだとうまいことグリップしてくれます。
なので温かい時期のカーペットやアスファルト路面ではグリップさせやすいと思います。
逆に2月の北海道でミディアムナローレーシングラジアルをグリップさせようとしても俺は無理。諦めた。(でもうまく走ってる人もいるんだよなあ…)
体感的には路面温度は10度は欲しい。
でも熱すぎるのもダメっぽくて、8月の東京の屋外アスファルトコースなんかでは、最初はいいけど走らせていると気持ち悪い動きになります。

・バラツキ管理

こちら読んでいただいて、硬度測定してください。
タイヤの素性がわかって、どこに使うべきかわかると随分変わります。

・シャシのメカニカルグリップ

やっぱりミディアムナローレーシングラジアルってタイヤはグリップがうんこですので、シャシ側で頑張るしかありません。
タイヤのグリップを引き出させるようなシャシセッティングを探してください。
「どうすればいいの?」と聞かれても、路面によって変わるし好みもあるんでなんとも。そもそもおいらもよくわかってない、てのもあります。
そのサーキットで走ってる人に聞いて回ると、その路面にいい感じに合うセットが見つけられるかもしれません。
ちなみに「サスは柔らか目」「リバウンドは多目」がいいってパイセンが言ってました。参考に。

雑誌なんかでミディアムナローレーシングラジアルの評価が高いのは、ライターさんの技術があってシャシのメカニカルグリップを引き出す能力を持ってるから。もしくはタミヤへの忖度。
真に受けて使うとがっかりすることになります。

・終わりに

他の人と差をつけやすいのはシャシのメカニカルグリップなんですが、グリップを引き出せるようなうまいセッティングが出来る様になるのは結構大変。
これが出来てりゃおいらももっと表彰台に立ってるんですけどね。

なので他の項目(鮮度、表面処理、バラツキ管理)でうまいことグリップ引き出してください。
おすすめはバラツキの管理。硬度管理をすると随分楽になります。

ミディアムナローレーシングラジアルと長く付き合っていると、こいつはこういう奴なんだな、てわかってきます。
いいところを引き出すようがんばりましょう。

まあわかってきたところでおいらは大嫌いなままなんですが、最近では金額の割にグリップする、とか、セッティングの勉強になる、とか、まあちょっとはいいところあるんじゃないか、と思ったりして。

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