セッティングの順番としてはタイヤ、ボディの次に重要じゃないかな、と思ってるダンパーのお話しです。
タミグラ、タミチャレ参加者向けにタミヤメインですが基本は一緒です。まずオイルの話し。
・オイルの役割
ダンパーのオイルの仕事は、ざっくり言うとバネが弾み続けないようにすることです。
オイルが無いと、路面のギャップ拾って跳ねた車体がしばらくの間びよんびよんと弾み続けます。
加速時や減速時にも弾み続けます。何なら切り返しの際にも弾み続けます。
弾んでいる間はステアリング効かないわ前に進まないわで大変です。
それからロールを制御する、という仕事もしています。
オイルが無いと、瞬間的に加重変化が起きるので操作が超大変です。
他のサイトを見てもロール量を制御しているのか、ロールスピードを制御しているのか、説明がバラバラなので、まあ制御しているんだな、とざっくりと覚えておいてください。
・オイルっていっぱいあるけど何を選べばいいの?
タミヤのシリコンダンパーオイルは、水の粘度を1とした場合の数字となっていて、書いてある数字が大きいほど硬くなります。
他メーカーのオイルもだいたいそんな感じで、数字が大きいほど硬くなっています。
ただ、同じ400番だからどこのメーカーも同じ硬さか、と言われるとそうでもないようです。
一般的な4輪駆動ツーリングカーでタミグラタミチャレの速度域の場合、以下の物入れておけばまず大丈夫です。
・TRFダンパーの場合:OP443の400番(黄色)
・CVAダンパーの場合:OP445の900番(透明)
これを基本に、気温が高い場合は硬く、低い場合は柔らかくします。
夏の屋外サーキットでは硬くする、冬の屋外サーキットでは柔らかくする、といった感じです。
最近のシャシを使用して屋内コースの利用なら、北海道でも年中400番でいいんじゃないかなって感じてます。
・オイルを変えるとどうなるの?
硬いオイルを入れるとロールが緩慢になります。
車が過敏に反応しすぎて操作が難しい、といった場合は、路面状況によりますがオイルを硬くすると効果があるかもしれません。
でも硬いオイルを入れると切り返しがだるくなります。
柔らかいオイルを入れると逆の動きになりますので、動きが緩慢すぎる、という場合は、オイルを柔らかいものにすると効果があるかもしれません。
路面状況やその人の感覚で感じ方が変わるので、オイルだけ交換して、600番だとこういう動きになる、300番だとこういう動きになる、と把握しておくとセッティングの幅が増え、そのうちに「なんかロールが遅いから柔らかくしよう」とか「クイックすぎるから硬くしよう」とか判断できるようになると思います。
が、最初のうちはとりあえず400番入れておけば大丈夫です。
ちなみにタミヤから「VGダンパーオイル」っていう鉱物系オイルが一時期販売されていましたが、温度変化に弱く走っているうちに熱持ってオイルが柔らかくなり、フィーリングが変わってくる、ということであまり使われなくなってきています。
・最近のトレンドってどうなってんの?
一般的な4輪駆動ツーリングカーの場合、フロント側のオイルを少し柔らかくするのがトレンドです。
TRFダンパーを使用する場合、リアが400番だったらフロントは350番、といった感じです。
「フロント側を柔らかくすることでトラクションを逃がす」と説明されましたがよく理解できませんでした。
相対的にリアのグリップを上げるのかな?
理解できないけど真似してみたら結構いい感じなので、おいらも最近はフロント側を50番柔らかくしています。
350番オイルは40ml入りの物が販売されていますがAmazonでの取り扱いはありません。
近くのショップ行って買ってください。
https://www.tamiya.com/japan/products/54709/index.html
TRFダンパーを使っている場合、この40ml入りの350番400番450番500番を揃えておけば、まず困ることは無いと思います。
・オイル交換ってどうすんの?
ずっと使っているとオイルが減っていったり汚れていったりしますので、定期的に全部ばらしてクリーナースプレーでシリンダー内部を掃除、その際オイルも交換してください。
オイルが汚れたまま走行を続けるとシリンダーに傷が入ってシリンダーも交換する羽目になります。
定期的、ってどのくらい?と言われるとちょっと困るのですが、月に1~2度サーキット行くというおいらの場合、サーキット行く前にのオイル追加はしていますが、全部バラしてオイル交換するのは3か月から4か月に1度くらいかなあ。
昔はもっとマメにやってた気もするんですが億劫になってねえ。
ちなみにでかいレースに出る前には必ず全バラしてメンテナンスします。
全バラしてメンテするときはOP.574 TRFダンパー用ロッドガイド/Oリングを用意して全部交換します。
この辺参照してください。
また、サーキットでオイル交換ってのはあんまりしないのですが、しょうがなくやる場合はオイルを抜いて、入れ替える、という感じです。
全バラして掃除して、まではやってません。
クリーナースプレーも使ってません。
人によっては全バラして交換してる人もいるみたい。
・ピストンの役割
次にピストン。
ピストンは開いている穴の大きさや数で、オイル流入量の調整をします。
ざっくり説明すると、穴が少ない、小さい場合は流入量が減って、硬いオイルを使ったような効果が出ます。
穴が多い、大きい場合は流入量が増えて、柔らかいオイルを使ったような効果が出ます。
・ピストンもいっぱいあるけど何を使ったらいいの?
どれ使ってもいいのですが、「これを使う」と決めたらあまり変えない方がいいです。
ツーリングカーでTRFダンパーを使っている場合は、OP573の3穴ピストン使ってる人が多い印象です。
1000番のダンパーオイル使ってるけどまだ硬い!て場合は2穴を使うそうですが、ツーリングカーでそんなシチュエーションはまずありません。
オフロード車とかではあるのかな?
CVAやビックボア系はよくわかりません。
・ピストン/ピストンロッドって交換すんの?
ピストンも消耗品なんで定期的に交換するべきです。
しかしおいらの場合はシャシを入手して、次のシャシが発売されて入れ替えるまでに1度交換するかしないか、なんで年単位で交換してないですね、えへへ。
ピストンロッドは終始こすれていますので劣化は早いです。これも定期的に交換するべき。
でも私の場合はタミグラ前に交換する程度なんで、年に1度くらいかなあ。
スプリングについては次回。