まんまとX2 ACプラス V1000とAD350を買った話しその② LF2200のデータ取りと使った感想編

まんまとX2 ACプラス V1000とAD350を買った話しその② LF2200のデータ取りと使った感想編

色々いじくって使い方わかったんでデータ取ってみます。
前回はこちら

前回の最後に「でも放電→充電、てのはリフェでは手動になるみたい」て書いたけどその後いじりまくってて自動で出来ることがわかりました。
ただし
①バランス充電
②充電器本体のメニューから選択
で可能、PCからだとこのメニュー出て来ません。

目次

・レッツデータ取り!

バッテリーの放電特性のデータ取りまーす。
おいらの持ってるこのバッテリーが良いとか悪いとか判別したいと思います。
金曜夜に届いたんでうれしくて土曜日にDoさん持っていって延々データ取ってました。翌日レースなのに。

サンプルは3本、古いやつ2本と最新の1本です。
古いやつは22年3月に買ったやつ。月に3回使ったとして30回くらい使ってるのかな。

新しいのは22年9月に買った新ロットの物1本。
多分10回くらい使ったと思います。
新ロットはもう1本あるんだけど充電器届いた時にうれしくてうっかり放充電しちゃった。条件が変わっちゃうんで使いません。

測定手順としては、
①8.8A7.34Vカットで満充電になるまでバランス充電(ストレージ充電してるんで事前準備の為に満タンにします)
②12Aで5.4Vになるまで放電
③8.8A7.34Vカットで満充電になるまでバランス充電
④12Aで5.4Vになるまで放電して特性を記録、グラフ化

て感じでやります。
12A放電は過去この数字でやったんでこれで。
15.5tモーターって12Aくらいで放電されてると思って設定したんだけど、実測したら全然12Aじゃなかった。
でも今から変えると過去のデータと整合取れなくなるんで12Aで行きます。
5.4VカットはGD200の設定下限で、昔からこれでやっててこれも過去のデータに合わせるため。
ちなみにV1000自体は2.6V/5.2Vカットまで行ける。

8.8A充電はLF2200のMAX充電電流。

使用機材はもちろんX2ACプラスV1000とAD350。

過去も包んでないのでバッテリーは包んだりせずにそのままにします。
参考この辺。
https://h-hobby.net/2022/02/11/post-9385/
レース時は包んであっためた方がいいと思うよ。

・結果はこうだ!

サンプルA(古いやつ)

これはPCソフトの画面キャプチャ

サンプルB(古いやつ)

サンプルC(新しいやつ)

まとめたのがこれ。エクセルで作った。

横軸は秒です

前回調べたのと同様、新ロットは長持ちですね。
初期が高いのは新しいからか、新ロットの特性か。でも極短時間なんでグリッド着くころには下がってると思う。

わかりやすいように6分でカットしてズームしたのがこれ。

あんまり変わんないですね

10秒の時点で、サンプルABCの順に6.569V,6.564V,6.663Vて数字。
20秒だと6.341V,6.342V,6.33V
30秒だと6.329V,6.324V,6.319V
30秒の時点では古い奴の方が高い、って数字になってるけど0.01Vくらいだし正直誤差じゃねえか?て感じです。

「大きく劣化してる!」てのは無かったけど、おいらはバッテリーは比較的大事に扱ってたり頻繁に買い替えてたりするんでこんな結果なのかな、と思います。
健康なLF2200はみんなこんな感じになるんじゃないかしら。

・結論

というわけなのでこの3本では正直かわらない、てことになると思います。
あえて言えば新ロットの初期が高いので予選前列の時使うかなあ。

・お、いいじゃん俺も買う!て思った方へ、ちょっと気にした方がいいこと

バッテリーって気温、温度で特性変わるんで、測定してデータ取りする場合は一気に測定することをおすすめします。
夏に測るのと冬に測るのとでは数字が変わるんで、夏に取ったデータと冬に取ったデータを比較してもあんまり意味はありません。

また、条件揃えるために測定の1週間前くらいに測定する全てのバッテリーを一度放電して充電して、ってやったほうがいいと思います。
1カ月前に使ったバッテリーと先週使ったバッテリーでは特性変わります。今回も1週間前に全部一度放充電してます。

タミグラタミチャレでは走行時間は長くてもせいぜい5分なので、良し悪しを判断する場合はその辺考慮してください。
タミグラの予選なんかだいたい2分なので、低電圧で長持ち、よりも、短時間でも高出力の方がいいバッテリーって判断するべきです。

今回は8.8Aで充電したのでバランス充電で行いましたが、高電流で充電する場合はバランスじゃなくて普通の充電の方がいい気がします。
バランス取る時は2.2Aとか4.4Aとかでのんびりやった方が安全だと思う。
頭のいい充電器なんで高電流でもバランス取れます大丈夫です、って言ってもハード的に大丈夫なのか?感があります。
バランスボードも1.5A流れて大丈夫なのかな?

ちなみに10A充電まで試しましたが、バランスケーブルが熱を持つというようなことはありませんでした。でもこれはバッテリーが良かった、てのもあると思うんで、くたびれたバッテリーを高電流でバランス充電、て時は注意。

・この充電器の良いと思った点

・Export選ぶとCSV形式でアナライズ結果を出力できるのはすげえいい

編集しやすそうな形式なんでものすげえいい。
GD200と大違い。

・PCと接続簡単なのもすげえいい

ドライバ不要!おいらはこの手のハードウェアをPCに接続するのってたいてい失敗するんだけど今回はサクッと成功した。

・PCソフトが軽くてすげえいい

ソフトをダウンロードしてEXEファイルダブルクリックしたら即動いた。これインストーラー不要みたい。
軽くていいわー、会社のPCに入れてもばれないからいいわー。
いや厳しく監視してる会社だとなんか変なソフト動いてるぞ、とか言われそうだけど。

・PCソフト自体は充電器がつながっていなくても起動可能ってのはいい

ソフト起動させてアナライズした結果のXMLファイルを開けるんで、会社のパソコンでグラフを見れたりするんですよ、ありがたいわー。

・ファームアップが楽そうなのがいい

PCソフトのSystemにファームアップのメニューがあってクリックすればチェックしにいってくれるみたい。
そんで新しいファームがあったら落として入れてくれる、って。最近の家電製品みたいだなこれ。

・コンパクトなのがいい

放電機の上に綺麗にのっかる大きさなんで場所取らなくていいです。
デザインも統一感あってなかなかお気に入り。

・そんでこの充電器のうーん、て感じた件(2023年1月16日時点)

案件ではなくこちとら自腹なんで、ちょっとこれは…と思ったことを正直に書いていきます。

※2023年1月時点のファームでの話しなので、今後のファームアップで解決する可能性があります。
ファームがアップされたら上げて試してみますが、常にハイテックさんのHP見てるわけではないので気が付いた方やハイテックの方はコメントなり「お問い合わせと連絡フォーム」から連絡いただければ確認して随時追記していきます。

・現時点(2023年1月14日のファーム)ではLifeの終了電圧が3.67Vまでしかいかない

おいらは3.68Vで設定してたんでちょっと低い。これはおいら的には結構致命的。
次ファームで対応して欲しいけど、これって多分社内の安全基準とかがあって、その上で安全を確保できる基準で決めた数字なんだと思う。
MALTA(icharger作ってるメーカー)の「自由度高いけど自己責任な!」に対して、ハイテックはそれなりにでかい会社だから安全対策なんかはそれなりにちゃんとしないといけないだろうし。
なので上がらなくてもしょうがないかな…
でも上げてほしいな…

違法なんでやる気は無いけど、リポモード充電で終了電圧下げればいいんじゃね?と思ったんだけど4.18Vまでしか下がらねえ!

・アナライズはAのポートしかできない

ていうか大電流放電はポートAでしかできない。ポートBは放電機AD350繋げても2Aまで。というわけでポートBは事実上充電専用ポートに。
A,Bポート合わせて40A放電可能、て感じにならないもんでしょうかね。
そうしてくれればおいらの環境だと2本同時に放電とかできるんだけど。

・アナライズした結果の比較がすげえめんどう

複数のバッテリーを比較する場合は、まず①のバッテリーをアナライズ、そんで①のバッテリーのアナライズ終了後、その①のアナライズ画面を出したまま②のバッテリーをつなげてAppendTest選んでアナライズを開始、て感じ。
3本目の比較したい場合はその画面のまま③のバッテリーつなげてAppendTest選んでアナライズ開始。4本目以降も同様。
複数本を比較する場合は、こんな感じでリアルタイムでアナライズするしかありません。

アナライズの結果はXMLで保存できて1個だけ開けるんで、その1個との比較は可能。
保存していたXMLを開いた上で、AppendTestでアナライズして比較、て感じで。
なので、過去の状態と現在の状態の比較、みたいなことはできる。

XMLを複数個まとめて開いて比較、てできるとすげえ便利なんだけど。

まあCSVでデータが出るんでそっちを使って比較すればいいんだけど、それならGD250でもいいんじゃね?て感じ。いやV1000/AD350の方が加工はしやすいんだけど。

・PCで操作してるとき、UI上のStartボタン押しても反応にラグがあるんでちょっと戸惑う

押されてなかったかな?てもう一回押したらStopになってて止まっちゃったりして。
こういうのって押された時になんか音を鳴らすと解決なんだけど。

・ポートBで充電中に、ポートAの充電を開始するとポートBの電圧電流が一瞬下がる

おそらくポートAで充電中にポートBの充電開始しても電流は一瞬下がる。
ACでもDCでもなったけどACの方が下げ幅でかい。両ポートともリフェに8.8A充電なんでそんなに負荷はかけてないと思う。
これはしょうがないと思うし、バッテリー出力に影響はないだろうけど、ちょっと気を使うねー。

青矢印のとこ、がっつり下がった

・充電器の左から放電アダプタへの接続ケーブルが出てるけど正直邪魔

後ろからにしてほしかった。

・PCで充電メニューに入ると充電設定が初期化される

充電の初期設定がバランス1A充電になってるんですよ。
そんでPCからの操作時、メニューに入って8.8Aとかで設定してOK押して戻るとちゃんと8.8Aになってるんだけど、もう一回メニューに入って何もせずOK押して戻るとバランス1A充電になってる、ていう。
1度メニューに入ったら、何か変更してからOK押さないと初期設定に戻っちゃう。
細かいバグだけど急いでるときにハマるとうっとおしいと思う。
次のアップデートで対応して欲しい。

・エクスポート失敗してる

アナライズしたデータをエクスポートしてCSVファイルにしたんだけど、0KBで。
中見たら空ってのがたくさんありました。ファイルだけできてて中身が無いの。なんだよこれ。
初日に試しに取ってみたのは成功してたんだけど、2日目にまとめて取ったやつは全部ゼロ。一度成功してたんで油断してた。
絶望しかけたけどXMLファイルは取ってたんでそれを読み込んで新たにエクスポートして事なきを得ました。
エクスポートした場合は中身確認した方がいいみたい。

そういやエクスポート時になんか警告が出た気がする。コンティニュー選んで続けたんだけど。初日はこんな警告出なかった気もする。この警告で変な選択したからか?あれ?俺のせいかもしれない。

・リポリフェでトリクル充電不可

リフェでトリクル充電できる充電器って見たことないんだけど禁止なのかな?
V1000でもニッケル水素はトリクル充電可能なんだけど、リポリフェはトリクル充電メニューが選択できなくなる。
これできるようにしてくれるとありがたいんだけどなあ。
できればリフェでもトリクりたいです。なるべくレース開始直前までトリクっといて高電圧で走り出したいです。ぜひトリクラせられるようにしてください。
次ファームで対応して欲しい。

・SE(音)全般が物悲しい

地味なデータ取りやってる時なんかはこんな音でもいいんだけど、たいていは充電終了したらよっしゃ走りに行くぜ!ってわけだから、もっと景気のいい音にしてほしい。レース前だとテンション下がる。
次ファームで対応して欲しい。

・終わりに

高額な充電器なので期待が先行しすぎてちょっと気になるところの方が多くなってしまいました。
でもきっと今後のファームで改善してくれるはず。

おいらはiCharger X6も持ってるんでタミグラではこっちの方がいいって感じもします。小さくて持ち運び便利だし。

V1000はカラー液晶に頭のいいCPU積んでるってことで結構電気食いそう。タミグラ特設会場みたいなコンセント無いところでポータブル電源使った運用ではちょっと怖いです。
V1000に比べればiCharger X6自体はそんなに電気食わないからポータブル電源にも優しいし。

なによりiCharger X6の方が充電終了電圧の設定幅が広いんで、タミグラ合法で突き詰めていくと現時点での計算上ではiCharger X6使った方が速く走れることになります。
これはおいらの性格的なものもあるんだけど、「理屈では速いんだから実際も速いに決まってる」て思い込みで結果につながったりするんで結構重要。

というわけで一度サーキット行って見せびらかした後は家に常設して定期的にデータ取る、って使い方になっちゃいそうです。

でも決して悪い機械ではないので買った方がいいです。買うしかないです。なんなら2個買って。

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