前回の続き、今回はスプリング編です。
・スプリングって何やってるの?
ざっくりと説明するとダンパースプリングは、路面からの衝撃を受け止める、タイヤを路面に押し付ける、といった仕事をしています。
・スプリングって山ほど種類があるけどどれを選べばいいの?
最初からTRFダンパーがついているキットの場合は、そのキットについているスプリングを使ってください。
一般的な4輪駆動ツーリングカーでキット付属のCVAダンパーからTRFダンパーに変更した場合、とりあえずOP440の黄色スプリング(ミディアム)を使っておけば大丈夫です。
この黄色を基本に前だけ赤くする(ソフト)、後ろだけ赤くする、前後赤くする、もしくは青くする(ハード)、など色々試してみてください。
ビックボア系では緑(スーパーソフト)使っておけ、て聞きました。
スプリングを柔らかくしすぎると車体を支えきれなくなりシャシが路面に接触、急に明後日の方向に走っていったりします。
路面に傷がつく原因にもなりますので注意してください。
ゼロ発進などの急加速時に変な方向に行く、って場合はシャシの接触を疑いましょう。
・スプリングって変えるとどうなるの?
スプリングを変えると曲がるようになったり曲がらなくなったりします。
柔らかくすると曲がるようになるのか、硬くすると曲がるようになるのかは、路面状況やその人の感じ方で変わります。
路面状況にもよりますが、硬くすると初期反応が良くなるので「曲がるようになった」と感じる方もいますし、柔らかくすると加重がかかるので「曲がるようになった」と感じる方もいます。
というわけで他人が言う「このサーキット(シャシ)はスプリングを柔らかくすると曲がるようになるよ」的なアドバイスは目安にこそなれ、あまりあてになりません。
色々変えてみてどうなるかを、自分で感じてください。
こういう路面の時は硬くするとこうなる、柔らかくするとこうなる、という引き出しをいっぱい持ってると困ったときに便利ですしレースの時に有利です。
・スプリングって劣化するの?
タミヤのOP440のみの話しですが、新品と5年程使用した中古、10年程使用した中古を比較したことがあります。結論としては中古の方が硬くなっていました。
OP440の赤が平均で0.3N(ニュートン)/cmくらい、黄色が平均で1N/cmくらい硬くなります。
5年物、10年物関係無くこれくらい硬くなっていたので、ある程度の期間が過ぎると硬くなってこれくらいでサチるんじゃないかな、と思います。
タミヤのOP440以外のバネ、他メーカーのバネは測定していないのでわかりません。
理屈が良くわからないのですが、劣化する、って言っていいんじゃないでしょうか。
気になる方は回転の速いお店で定期的に購入、交換するといいと思います。
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加重がかかることで短くなって柔らかい方向に変化(劣化)すると思っていたので予想外の結果でした。
バネの金属が酸化することで硬くなるのかな?
ちなみに「1N」っていうのは力の単位で1ニュートンって読みます。バネなんかはこの単位で表示するらしいです。
力の単位だけど無理やり重さに変換すると1ニュートンはおよそ 0.102 キログラム重。
「N/cm」ってのはバネが1cm縮むのにかかる力で、「1N/cm」の場合、0.102キログラムの重さをかけるとバネは1cm縮むってことになります。
・ダンパー角度を変えるとスプリング硬さが変わる
最近の車はダンパー取り付け用の穴が複数あって選べますが、穴の位置を変えるとスプリングの硬さが変わります。
垂直に取り付けた場合の硬さが20N/cmだった場合、45度にすると計算上は10N/cmに、柔らかくなります。
「黄色バネだとちょっと硬い、でも赤だと柔らかい!」という場合、黄色バネのままダンパーを寝かせる、もしくは赤くして立てるといいと思います。
・時間が無いときはスプリングは決め打ち
最近では選べるスプリングが山ほど出ていますので結構迷います。
時間があるときは色々試せばいいのですが、そうでもないときや初めて行くサーキットでTA07やTB-05を使う場合、私は「前後OP440の黄色」か「前黄色後ろ青」で決め打ちしてます。
これで走らない場合は他の部分がおかしい、てことで。
「スプリングは決め打ち」という考え方はTRFの河野さんの受け売りなのですが、非常に合理的な考え方だと思います。
さすがプロ。